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探偵L・アメリカ編『マンハッタンの枢機卿』~第Ⅲ章~
探偵L・アメリカ編『マンハッタンの枢機卿』

       第Ⅲ章

 翌日の朝、メロはラケルがいつものとおりキッチンで朝食の仕度をしている後ろ姿を見て、なんとはなしほっとした。きのうの夜は結局、ラケルはあのあとふて寝してしまったらしく、メロは彼女と何も話をしないままだった。でもこの調子ならたぶん、不承不承ながらも納得したということなんだろうと、彼はそう判断した。
(まずはチョコレートを一枚齧ってからジョギングにでもでかけるか)
 メロは軽くラケルに挨拶したあと、冷蔵庫の中から板チョコを一枚とりだした。そして齧りながら走るってのもありだなと思い、黒いシャツにジーンズという格好のまま、家をでていこうとする。
「……メロちゃん。こんなに朝早くどこいくの?」
 ドアの開く音を聞きつけて、チーズ入りのオムレツをフライパンの上にのせたまま、ラケルが玄関ホールにでてくる。
「ああ、今日から俺、ちょっと体鍛えなきゃいけないからさ。これからマイアミビーチのほうまでいって十キロくらい走る予定だから、朝飯はそのあと食うよ。それときのうのボルシチ、美味かったと思う」
「そう……じゃあ、がんばってね」
 どこかしょんぼりした様子でラケルはメロに応援の言葉を送った。本当はあまり頑張ってほしくはないけれど、仕方がないとでもいうような口振りだった。
 日頃体を鍛えているメロにとって、実をいうと十キロというのはそう大した距離ではない。メロは庭の芝生の上に放りこまれた新聞を拾ってそれをポーチに置くと、軽く柔軟体操してから耳にイヤホンをし、アラビア語のテープを聴きながらマイアミビーチに向けて走りはじめた。日常会話程度なら二、三週間でどうにかなるにしても、メロにとって問題なのは――アラビア文字で文章を書けるようにならなくてはいけないことだった。それが今回Lが立てた作戦の成否を握っているといっても過言ではない。まあ、骨が折れるにしてもなんとかなるだろうとメロは考えていたが、まさか自分が十キロランニングして帰ってくるなり――家で別の精神的抗争がはじまっていようとは想像だにしていなかった。

 最初メロは、家の中の空気の変化にまるで気づかなかった。ただ汗だくになった顔や体をタオルで拭き、冷蔵庫から水をだしてごくごく飲み干していると――ラケルが片付けている食器の数などで、おそらくLが一度下へ降りてきたのだろうと気づいた。朝起きてきた時にテーブルに乗っていた、バナナマフィンやブルーベリーパイの皿などが消えてなくなっていたからだ。
「L、朝飯食ったんだ」
 口許を手の甲で拭うと、メロは空になったミネラルウォーターのペットボトルを、屑籠にぽいと捨てた。自分も残っていたチョコレートマフィンをひとつ摘み、ぱくりとそれを食べる。
「知らないわよ、あんな人」
「なんかあったのか」メロは口をもぐもぐさせながら聞いた。
「……べつに」
 メロは一応何かあったらしいと思いはしたものの、自分が今それどころでないせいもあって、事態がそれほど深刻であるとは考えなかった。それで軽く食事をすませたあとは、自分の部屋でアラビア語の単語をひたすら頭の中に叩きこんでいたのだった。今日の午後にもワタリがやってきて、陸軍の特殊部隊が使用する武器や装具一式を持ってくるだろう。そうしたら今度はオペレーションマニュアルを完全に丸暗記しなくてはならない。
 実をいうとメロはこう見えて意外に努力家だった。ニアがもし生まれながらの天才であったとすれば、メロはどちらかというとコツコツ地道に煉瓦を積み上げて家を完成させるような、努力型の秀才だった。一般に秀才は天才に適わないものだと言われるけれど、彼らの場合は得意分野が違うせいもあって、一概にどちらがより能力的に上かというのは優劣の判断が難しいところだったかもしれない。
 そしてメロがLから借りた分厚いコーランの英訳本を読んでいた時、その事件(というほど大袈裟なものではないけれど)は起きた。
 時計の長針と短針が重なりあい、十二時をさそうかという時に家のチャイムが鳴り、おそらくワタリが来たものとばかり思ったメロは、コーランの研究者による解説本を一旦閉じた。ところが一階の部屋から玄関ホールに出てみると、そこにいたのは初老の紳士ではなく、デリバリーサーヴィスの若い男の配達員であることがわかったのである。
 二階からどたどたとLが下りてきて、困惑しきった顔のラケルのことを押しのけるように、百ドル札を何枚か相手の男に握らせている。
「明日はこれの他に紅茶とコーヒーをもっと持ってきてください。それとシュガースティックを毎日百本お願いします。その代わりチップのほうは弾みますよ」
「はあ……」
 大学生のアルバイトといったような風貌の配達員もまた、困惑の極みにあるような顔をしている。だが彼はLに握らされたお金の現実味に気づくなり、嬉しそうににっこりと笑った。本当は五十ドル以上もお釣りがあったのに、Lがいらないと言ったためだ。
「じゃあまた明日、この時間に」
 白い歯の眩しい金髪の勤労青年は去っていった。Lは大きな紙袋をいくつも抱えて二階へ上がっていこうとしたが、ラケルがまだ床の上に残っている紙袋のひとつを開けようとすると、彼女の手をぴしゃりと叩く――途端、彼の持っていた紙袋がぼとりと落ち、中からアップルパイやドーナツなどが包み紙にくるまれたままで、ざらざらと床に散らばる。
「……卑怯者っ!何もここまですることないじゃないのっ!」
「何言ってるんですか。元はといえばラケルが悪いんですよ。もうわたしのためには甘いものを作らないとか言うからじゃないですか。目には目を、歯には歯を、これは同態復讐法というやつです。覚えておくといいです」
「しっ知ってるもの!そのくらいっ!」
 Lがさっさと自分の糧食の数々を二階に運びこんで篭城してしまうと、事の次第を見守っていたメロは、ぽかんと呆れてしまった。
(……これも一応、夫婦喧嘩の一形態というやつなのか?)
 腕を組みながら柱に寄りかかり、そんなことを思ってみるものの、くるりと振り返ったラケルの顔には間違いなく怒りがにじんでいたので、事ここに至って初めて、メロはどうやら深刻なトラブルが発生したらしいと理解したのだった。
「なんだよ。まさかとは思うけど、俺のイラク行きのことで喧嘩したってわけじゃないんだろ?」
「いいのよ。メロちゃんは気にしないでお勉強に専念して。これはわたしとLとの問題なんだからっ!」
 まったくもうあの人はどうしてこう子供っぽいのかしら、などとラケルが怒ったように言うのを聞いたメロは、(……一体どっちがだよ)と思いはしたものの、何かデリケートな問題のような気もしたので、とりあえず黙っておいた。そして次にチャイムが鳴って、今度こそ本当にワタリが姿を現すと、メロは武器や弾薬、陸軍の制服などの入ったずっしりと重いトランクを受けとり、一応ワタリに装備一式についての点検と説明を受けることにしたのだった。
 ラケルがワタリのことを快く迎え、アイスティーの準備をしている間、居間のテーブルの上には何やら物騒なもの――ナイフ、手榴弾、ピストル、弾薬、マシンガン、武器手入れセット、磁石、救急セット……などなど、サンプルとしての陸軍の装備が四十点以上も次々と並べられていった。メロは作戦遂行のための特殊部隊のオペレーションマニュアルや、おそらくはワタリの判断で参考書物として用意されたのであろうサバイバルブック関連の本の幾つかをぱらぱらとめくって読むことにする。
「これはあくまでも練習用のものですが、陸軍へ正式に配属される前に、きちんとした正規のものが調達されるはずです。一応何をどの順番に装備するかなど、資料ファイルに書いてありますが、説明したほうがいいですかな?」
「いや、いいよ」と、メロはすでに本や参考資料の内容のすべてを頭に入れながら言った。「それに一応、大体二か月くらい基地のほうで訓練も受ける予定だしさ。何も問題はない。ありがとう、ワタリ」
「いえ、どういたしまして……」
 ラケルはトレイにアイスティーやポット、それにガムシロップの入った陶器をのせて居間に運んでいたが、テーブルの上の手榴弾や拳銃、数挺のライフルや弾薬などを見て、萎れた花のような溜息を着いている。いつもはどこか丁寧な手つきでお茶をだしてくれる彼女が、今日はガチャガチャと何か不本意なものでもだすようにティーカップを置いたのを見て、ワタリはなんとはなし心配になった。
「御婦人の前でこうした物騒なものをお見せするのは少々良くなかったかもしれないですね。申し訳ありませんです」
 ぺこりと頭を下げているワタリに対して、ラケルは首を振った。ワタリが100%絶対の信頼をLに置いており、彼の指示に必ず従うであろうことを知っているラケルは、ワタリに助けを求めようとしても無駄なことがよくわかっていた。
「ワタリ、気にすんなよ。ラケルは今Lと喧嘩してて、そのせいで元気がないっつーか、泣いたり怒ったりして情緒不安定になってるだけだから」
「情緒不安定って……!そんな言い方ないでしょ。今朝Lにメロちゃんがもしイラクへいったら、無事にメロちゃんが戻ってくるまで甘いものは一切作りませんって言っただけよ。そしたらこれとそれとは話は別ですとかなんとか言うから、売り言葉に買い言葉で喧嘩になっちゃって……だってあの人、わたしがいるせいで糖分的に不自由な生活を送るくらいなら、別居したほうが遥かにましですとか言うんだもの!」
 メロは組立式の45口径の銃を点検するように眺めながら、思わず笑いたくなった。ここでも彼はラケルよりLの味方だった。何故ならもしラケルが自分に、虫歯になるからチョコはやめて、低血糖症のための薬を飲みなさいとか言う小うるさい女なら――やはりすぐに家をでていったであろうからだ。
 ところがワタリは白い眉の下の目にどこか悲しげな色さえたたえて、両膝の上に両手を着くと、「誠に申し訳ありません」と言ってラケルに向かって深々と頭を下げたのだった。
「どうかこの老いぼれに免じて、許してはもらえませぬか。Lは幼少のみぎりより、他の子供たちとは違いずば抜けて頭が良かったものですから――わたしもついその褒賞としてLの望むものはなんでも与えてきたのです。まあ、今もある意味そのことにはなんの変わりもありませんが……」
「ワタリ、余計なことを言うな」
 Lは暑さのために開けっ放しにしていたドアの前に現れると、メロとワタリが並んで座るソファの斜め前、籐で編んだ肘掛椅子に腰かけた。
 ラケルは渋々といったような体で、Lの分のアイスティーを入れようとしたが、その手をLが払いのける。
「いいですよ、ラケル。これからは自分のことはなんでも自分でやります。あなたは自分の好きなことだけして有意義に時間を過ごしてください」
「……ああそう!わかったわよ、もう。Lなんて大っ嫌い!」
 そう言うなりラケルは、エプロンを外して自分の部屋に閉じこもりきりになってしまった。その怒った後ろ姿はいわゆる「わたし、実家へ帰らせていただきます!」の典型的スタイルであるように見受けられたが、実際には彼女には本当の意味で帰れるような実家など、この広い世界のどこにもないのだった。
「L、少し言いすぎでは……」と、ワタリは少し心配そうに言ったが、Lはまるっきり頓着せず、ガムシロップをどぼどぼとアイスティーに垂らしている。
「いいんです。彼女のことは今は放っておいたほうが……それより、これから少し打ちあわせをしましょう」
 ラケルは寝室のダブルベッドの上に突っ伏して、悔しさのあまり泣いてさえいたが、その後ワタリが帰る前に低姿勢で「Lのことをこれからもよろしくお願いします」と頼んでいったため、少しだけ機嫌を直した。正直いって、(自分のことは自分でって何よ!人が注意しなかったら何日も同じ服着てるくせに!わたしが洗濯しなかったら、今ごろ大変なことになっているんだから!)などと思ってはいたが、そう思いながらも彼女にも本当はわかっているのだった。Lは<超>のつくような億万長者であり、一度はいた靴下や下着はもちろんのこと、その他Tシャツもジーパンも靴も使い捨て同然に毎日捨てたところで、彼の懐はまったく痛まないだろうことを……そしてそれがラケルにとって、Lとの結婚生活の一番痛いところなのだった。わかりやすくいえば、Lにその弁慶の泣きどころを軽く突つかれただけで、ラケルは自分でもどうしていいのかがわからなくなってしまう。
 それでも、夕方か晩にまたひょっこり、Lがなんでもない顔をして居間やキッチンに下りてくるかもしれないと思い、ラケルは料理の仕度だけはしておいた。だが彼はやはりラケルの存在を無視するように階下へは姿を見せなかったし、メロもすでに特殊任務遂行モードに入っているため、ずっと部屋でアラビア語の習得に神経を集中させていた。夕食はダイニングでとったものの、メロはその時にもアラビア語のテープを聴いており、ラケルとの間に会話はほとんどなかった。そして食事を終えると冷蔵庫からチョコレートを箱ごと持っていき、あとは一切自分の部屋から出てはこなかった。
 ――その夜、ラケルは侘びしい思いで、(Lにとってわたしってなんなのかしら)という主婦にありがちな悩みについて考えながら枕に頭をつけたけれど、最終的にはやはり(今度こそ、向こうがあやまってくるまで、絶対にわたしからは折れたりなんかしないんだから)との決意を固めるに至った。
 ところが……ラケルが眠った頃を見計ってLがこっそりキッチンへ下りてきた時、絹を裂くよな女の悲鳴というのか、「キャアアアア!」と、どこかホラー映画を彷彿とさせるような叫び声がラケルの部屋からは聞こえてきたのだった。
 Lはラケルの作ったプディングを賞味している最中だったが、盗み食いの現場を押さえられてはまずいと思い、急いで残りを喉の奥にかきこんで彼女の寝室へ駆けつけた。Lはメロにも今の悲鳴が聞こえなかったはずはないと思ったが、実はメロはアラビア語のテープを聴いていたので、イヤホンを耳にしたままぐうぐう寝入っていたのだった。
「ラケル、どうしました!?」
 口許についたプリンの残骸を手の甲で拭いながら、Lはラケルの薄暗い寝室に入っていった。ナイトテーブルの上の明かりだけが点いていたけれど、ベッドの上に彼女の姿はなく、窓が大きく外に向かって開け放されている。
 その瞬間、Lはどきりと鼓動が一瞬高くなるのを感じた。(まさか、誘拐……)との思いに胸を鷲掴みにされそうになるものの、すぐベッドの脇に頭を抱えてうずくまっているラケルの姿を発見してほっとした。
「……どうしたんですか。暑いならエアコンをつけて眠ればいいでしょう。この屋敷は外から誰かが侵入したら防犯ブザーが鳴るようになっていますが、内側から窓を開けた場合には泥棒に入ってくれと言っているようなものです。まあ、ここまでくるのに庭にもいくつかそうした仕掛けがありますけどね、万が一ということもありますから」
「ゴ、ゴキブリが……」
「?」
 ラケルの声があまりにも小さすぎるので、Lには最初彼女が何を言っているのかさっぱりわからなかった。外の様子を確認してから窓を閉め、Lは震えているラケルのことをベッドサイドに腰かけさせると、彼女に落ち着くように言った。きっと何か怖い夢でも見たのだろうと、Lはそんなふうに思っていた。
「ゴキブリがぶーんって、ゴキブリが……あいつら、飛ぶの……信じられない、こんなこと……」
 一体なんの話だろうとLは思ったが、①ゴキブリが出てきた、②暗闇の中でそれがぶーんと飛んでいるのがわかった、③パニック状態になって悲鳴を上げた、④勇気をだして窓を開け、そいつらを追っ払った……まあ、そんなところだろうと推察される。
「もう大丈夫ですよ。ゴキブリは窓の外にでも逃げていったんじゃないですか。あとは何も心配入りませんから、ぐっすり眠ってください」
「い、いや……また出たらどうするの。この間もキッチンに出たの……その時はメロちゃんが殺してくれたけど……その時メロちゃんは『キッチンでゴキブリを一匹見かけたら、家のどこかに百匹はいると思ったほうがいい』って……本当だった……いるのよきっと、あと他に94匹くらい……」
 ラケルはLの長Tシャツをぎゅっと掴んで、彼に抱きついた。Lもまた仕方ないと思い、彼女が眠りにつくまでそばにいてやることにしたのだった。
「ラケル、久しぶりにコックローチしますか?」と、Lは冗談で言ってみたが、彼女は育ちが良かったせいか、その意味がわからなかったようだった。コックローチ(ゴキブリ)には隠語で、やるという意味があるのだけれど。
「コックローチなんて、絶対にわたしの前で言わないで……」
 ラケルは隣で横になっているLに、またぎゅっと抱きつく。たぶんこの時Lがどこか闇の彼方を指差して「あ、ゴキブリ」と言っただけでも、ラケルは飛び上がっていたかもしれない。だが流石にLも、昼間のお返しとばかり、そこまでする気にはなれなかった。
(やれやれ。これ以上もし彼女の作ったお菓子を食べられなかったら、わたしのほうからあやまるしかないところでしたが……この家に残り94匹いるゴキブリに、わたしは感謝したほうがいいのかもしれませんね)
 そしてLは、自分が昼間ラケルに言ったことを思いだし、『目には目を、歯には歯を』というハンムラビ法典の同態復讐法では何も物事は解決しないのかもしれない、などとぼんやり思った。Aという人間がBという人間の目を抉ったら、Bは同じようにAの目を抉ってもいいというこの復讐法は、一見残酷なように思えるけれど、実際にはなかなか理に叶った古代人の知恵ではなかったかとLは思う。何故なら、人間というのは頭を一発殴られたら、仕返しとして二発以上相手を殴ってやりたいと感じる本能を持っているからだ。つまり、誰かが誰かに対して憎しみや恨みを抱いて復讐しようとする時、相手以上のやり方でその復讐は成し遂げられる場合が多い……その人間が生来持っている復讐心を制御する法律が、ハンムラビ法典にあるこの同態復讐法だったといえるだろう。
(もしわたしがラケルに「大っ嫌い!」と言われたことを根に持って――いつまでも許さなかったとしたら、どうなるんでしょうね)
 Lは自分の長Tシャツをしっかり握りしめたまま眠っているラケルのことを見て、思わず笑いたくなった。
(イラクへ行くのも大切なことではありますが、それより自分のすぐ隣にいる人のことを理解することのほうが至難の業なのかもしれません……)
 ――その後、屋敷内にゴキブリが出没するたびにLは『これであと92匹』とか『残り88匹』とか思いながら彼らを抹殺していったが、ラケルはLがゴキブリを殺すたびに彼のことを英雄扱いし、上機嫌でいくらでも甘いものを作って褒賞としてそれをLに与えた。メロはいつの間にかふたりが元の関係に戻っているのを見て不思議に思いはしたけれど、まさかそれがコックローチのお陰であるとは全然知らないまま――三週間後に、フォートベニング陸軍基地へと出発することになった。




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【2008/01/15 03:45 】
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