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L家の人々、第一話
   L家の人々

『L家の人々』、主要登場人物
 *この物語は『DEATH NOTE』のパラレル・ストーリーとしてお読みください。パラレル・パロディゆえに、実際にはお亡くなりになっている方がピンピンしていたりしますが、「辻褄があってない」などとあまり突っこまないでお読みいただけると嬉しいです。

 *竜崎エル(本名、エル=ローライト)=L家(ローライト家)の家長で、長男メロ、次男ニアの血の繋がらない義理の父。職業は世界をまたにかける探偵。現在二十五歳。

 *竜崎ラケル(本名、ラケル=ラベット)=ワイミーズハウス創設者、キルシュ=ワイミーとロジャー=ラヴィーの提案による、明るい家族計画のある意味犠牲者。長男メロと次男ニアのお母さん役を与えられ、一応エルの妻でもあるが、それは設定都合上のことであって彼ともふたりの息子とも血の繋がりはまったくない。エルともべつに恋愛関係などはまったくなく、ただ与えられた「お母さん」という役を一生懸命演じようとしている人。現在二十三歳。

 *竜崎メロ(本名、ミハエル=ケール)=近ごろ不良化傾向にある竜崎家の長男。ワイミーズハウスにてニアと比べられて育ったため、彼に対して強いコンプレックスを持っている。とにかくキレやすい性格で、チョコレート依存症。現在十五歳。

 *竜崎ニア(本名、ネイト=リヴァー)=ずっと以前から引きこもり傾向にある竜崎家の次男。趣味は難しいパズルを解くこと、おもちゃ製作、プラモデル作り、その他。現在十三歳。

第Ⅰ章 明るい家族計画、始動
 それはふたりのワタリ――キルシュ=ワイミーとロジャー=ラヴィーが養護施設、ワイミーズハウスの応接室で紅茶のアールグレイを飲んでいる時のことだった。
「なあワイミー、わしは思うんだがうちの施設の子供たちはどうもこう……情緒が不安定というか、躾がなってないというか、一芸に秀でているがために、他の社会常識的な面に欠けているというか……そういう傾向にある子供ばっかりだと思うんだが。これではせっかくおまえさんが設立したワイミーズハウスの名前に傷がつくのも時間の問題のような気がするんだ。そこで、もう少し子供たちに親子の情であるとか家族の愛情といったものに接してもらう機会を与えるというのはどうだろう?」
 実際には子供があまり好きではないロジャーは、施設内の子供の数をこれからできる限り少なくしたいように考えていた。世界屈指の探偵として活躍するL、その後を継ぐことになるであろうメロや二ア……いくらたくさんの子供たちに英才教育を施したとて、これから先も永遠にL並、あるいはLを越えるほどの能力を持つ者が現れるとは思えなかったからである。
「まあ確かに」と、発明家であり、ワイミーズハウスの創設者でもあるキルシュ=ワイミーは紅茶を飲みながら友の意見に同意した。彼の大好きなスコーンに手をのばし、窓の外でボール遊びをしている子供たちの姿をしばし眺めやる。
「わたしもそろそろ年でもあるしな。施設内には明らかに英才教育向きでない子供もいることだし……わたしの死後もこの養護施設が健全に運営されていくよう、そろそろ手を打っておいたほうがいいかもしれんな。知・情・意すべてにおいてバランスのとれた子供を養育するには、親ないしそれに近しい存在の愛情が不可欠だ。ここでは施設の教員たちがそのような役割をも担っているが、それにも限界がある。それぞれの子供の事情にあった里親を探しつつ、こちらの施設で英才教育を受けるという形がもっとも望ましいのかもしれん。だがロジャー、メロとニアはどうする?彼らを受け入れてくれる家庭があったとしても……あの子たちはあまりに特殊だ。他の子供たちであれば、ちょうどいい里親が見つかるかもしれないが、メロとニアは……」
「それがこの計画の肝心なところなんじゃないか、ワイミー。メロは今年十五歳で、Lの後を継げないようなら施設をでて自分ひとりの力で生きていくと言っている。だがしかしだよ。その場合、Lの後継者はニアということになるが、何しろニアとメロはあのとおり仲が悪い。もし今のLの身に何かあったとすれば、あの子たちは裏の世界で二手に別れて敵対しあうようになるだろう。それだけは絶対に避けねばならん。それだけは……」
 ロジャーはまるで、メロとニアが実際に戦ってきた様を見てきたかのような目をしてキルシュにそう進言した。ワイミーは皿の上のスコーンをすべて食べ終わると、最後に紅茶のカップをソーサーの上に静かに置いている。
「ではこうしてはどうだろう。まずはLにこの事情を話して、相談する……他の子供たちには見つけようと思えば里親が見つかるに違いないが、メロとニアの扱いをどうすべきか、Lの意見をまず聞いてみることにしようじゃないか」
 キルシュ=ワイミーは七十歳を越えているとはとても思えない機敏な動作でパソコンの置かれたデスクまで移動した。そしてLのパソコンと回線を繋ぐコードをインプットして、彼からの応答を待った。しばらくして、画面上に『L』という文字が中央に表れる。
『ワタリか?例のシンジケートの件、何か新しい情報でも……』
「いや、申し訳ないがその件に関してはまだ新しい情報を入手していない。実は今、ロジャーと話をしていて、メロとニアの話になったんだ。彼らは確かに優秀ではあるが、Lを越えるほどの存在になりうるかどうかはまだわからない。まあ簡単に言うなら、メロには冷静さが、ニアには行動力が欠けているとでも言えばいいか……このふたつの拮抗する二大勢力が裏の世界に放たれたとしたらL、たとえあなたといえども……」
『ようするに、それでわたしにどうしろと?」
そこでワタリこと、キルシュ=ワイミーはしばしの間沈黙した。ある名案が彼の脳裏に閃いたためである。
「つまりL、あなたが今のうちからメロとニアの関係を改善すべく、手を打ってみてはどうでしょうか?あのふたりも尊敬しているあなたの言うことであれば聞くでしょうし……」
『残念ながら、それは甘いよ、ワタリ。仮にもし今ふたりにわたしが捜査の協力をしてもらおうとしたとしようか。そうするとニアとメロは互いに手柄を奪いあう形となり、結局メロとニアの間の亀裂は決定的なものになるとみてまず間違いはない。それより、あのふたりにはもう少し時間をかけて、外の世界を見てもらってはどうだろう?世界は広い。何もわたしの後を継ぐことばかりが人生のすべてというわけでもないだろう』
「そうですね。Lのおっしゃることはもっともなことかと……ですがL、わたしが今言いたいのはもう少し別のことなのです。メロは今年で十五歳になりますから、本人がもしここを出ていくと言えば、我々に彼を止める法的な権限はありません。現在、メロが十五歳でニアが十三歳ということを考えると、ある意味これがギリギリの年齢ともいえるかもしれません。子供として、親の愛情を受けるにあたって……」
『どういうことだ?まさかとは思うが、わたしにあのふたりの面倒をみろとでも?』
「そうです。そのまさかです、L。といってもあなたも捜査が忙しく、ふたりを構っている余裕などないでしょう。こちらで適当と思われる、母親にもなれるような家政婦をひとり用意します。今あなたは日本を捜査の拠点に置いていますから、そことは別にまあまあ中流家庭と思われるような、普通の一軒家であなたと母親役の女性、そしてメロとニアで暮らしてみてください。あなたにはメロとニアの父親役を務めてもらうことになりますが、ふたりに捜査の協力などは一切求めないようにしてください。そうすればいずれ、この実験の意味がわかるようになってくるでしょう」
『実験?一体それはなんの実験なんだ?第一、そんなことをする必要性が一体どこにある?メロとニアを相手に母親役が務まるような女性がこの世にいるとも思えん。ワタリ、そんな無意味なことはよして……』
 ここでワイミーは一方的に通信を切り、肱掛椅子に深々と腰掛けてふたりのやりとりを見守っていたロジャーに、悪戯っぽく微笑んでみせた。では以前に一度立てたことのある計画――仮に名づけて『明るい家族計画』としたものを実行に移そうというのか……ロジャーは立ち上がるとキャビネットのひとつから分厚い資料をとりだした。以前に一度、メロとニアの里親探しをした時のものである。このふたりはどこの家庭でも持て余されてすぐに施設へ戻ってきたのだ。だが今度は少し事情が違う。ふたりも尊敬するLの言うことであれば聞くだろう……あとは無償の愛を与えてくれるような擬似的母親がいれば、ある種の性格的な歪みやねじれが矯正されるかもしれない。ロジャーとワイミーは白髪頭を突きあわせると、資料の検分をしてパソコンのデータを調べ、ひとりの女性に白羽の矢を立てることにした。

 *名前、ラケル=ラベット
 *生年月日、1980年3月19日生まれ
 *出身地、イギリス・ウィンチェスター
 *身長、160センチ
 *体重、47キロ
 *備考・三歳の時、当施設から日本人の夫婦に引きとられるが、最近になって自分のルーツを知り、ワイミーズハウスに戻ってきて施設の教育係、世話係となる。語学教育担当で、子供たちには概ね慕われているようである。

「彼女になら、懐いているかどうかはべつとしても、とりあえずメロもニアも顔だけは知っている……特に問題はないだろう。ふたりにもこれで説明しやすくなる。メロとニアにはラケルと一緒にLに会いにいってもらえばいい。一応彼女に保護者になってもらうという形をとれば特にあやしまれはしないだろう」
「そうだな、ワイミー。あとのことは神のみぞ知るといったところだが、これを機会にメロとニアには仲良くなってもらわなければ……そこのところはラケルによく頼んでおくことにしよう」
 ロジャーは施設の教員室に赴くと、答案用紙を採点していたラケルのことを呼んだ。彼女は頼もしくも「そういうことなら任せてくださいっ!」と自分の胸を叩いていたけれど……結局メロとニアの仲はさほど改善されずに終わるということを、気の毒な彼女はこの時まったく知らなかった。


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【2007/10/01 10:01 】
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 初めまして。あまりやる気のない管理人、村上まゆみです。
「やる気ないなら、ブログなんかやるな!」っていう感じなんですけど、これまたやる気なく他の無料ブログ様で一度お世話になったところ、ちょっと使い勝手が悪いなというのがあって、色々考えた結果、FC2ブログ様へお引越しさせていただくことにしました。
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【2007/10/01 10:00 】
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